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ダイビングを始めたばかりの初心者の皆さんは、レギュレーターは『シリンダーへの取り付け&取り外し』『エアチェック』『器材洗い』など、やることが多くて取り扱いが難しいと感じているはずです。
これは、経験本数が少ないため、ダイビングに慣れていないからというのが一番大きな理由です。
経験本数が少なくてもできることは、自分が揃えるレギュレーターについて、『機能』『性能』『特徴』『取り扱い方法』『メンテナンス方法』など基本的な部分を知識として知っておくということです。
今回は、伊豆の海で33年潜っているインストラクターが、ダイビングで使用する器材『レギュレーター』について解説します。
この記事を読むと
- 購入の際にどんなタイプのレギュレーターを選べば良いか
- 購入したレギュレーターをどのように使用すれば良いか
- 購入したレギュレーターをどのようにメンテナンスすれば良いか
がわかります。
特に自分で購入したレギュレーターの性能や正しい取り扱いがわからないまま使用していては、その恩恵をじゅうぶんに受けることができません。
せっかく高額の器材をそろえるのだから、使いやすいレギュレーターをそろえて、最大限有効に活用(使用)できるようにしていきましょう!
【初心者向けダイビング器材解説】安全潜水の基本3点もインストラクターが解説!
レギュレーターをそろえるときに正しい知識を身につけてしまえば、あとは沢山潜るだけ!
潜った本数に比例してどんどん難しさがなくなって、簡単に取りあつかえるようになるよ!!
伊豆高原ダイビングブログがお勧めするレギュレーターの選び方
いざレギュレーターを揃えようと思った時、初心者ダイバーの皆さんは、最初にまずメーカーを選ぶはずです。
どのメーカーを選べば良いかは、
結論
どのメーカーをを選んでも構いません。
理由
- 呼吸をつかさどるレギュレーターは、ダイビングで一番重要な器材です。どんなメーカーも、ダイバーが命を預けるレギュレーターを適当には作れません。そのため、最低限の機能と安全性は全てのメーカーで確保されていて、どのメーカーを選んでも問題ありません。
- 特にファーストステージは、バランスピストンタイプとダイアフラムタイプの2種類の内部構造の違いはありますが、呼吸していて何か違いを感じるかというと全く感じません。
ファーストステージとセット販売され、メインで自分が呼吸するためのセカンドステージに関しては、
結論
『空気流量調整機能付きセカンドステージ』がおすすめです。
理由
- ダイビングにもっと慣れてレギュレーターの呼吸にも慣れてきたら『中級者、上級者向けのエアの消費を押さえて呼吸をコントロールする上級テクニック』にチャレンジする人も多くなってきます。その時に空気流量が固定されていると、呼吸をコントロールする上級テクニックにチャレンジできません。
- 汎用性の高さを考えて、初めから『空気流量調整機能付きセカンドステージ』を選択してください。
緊急時に使用するセーフセカンドステージ(オクトパス)に関しては、
結論
『空気流量固定式セーフセカンドステージ(オクトパス)」を選びましょう。
理由
- エア切れまたは、自分の呼吸しているセカンドステージが故障しない限り『セーフセカンドステージ(オクトパス)』を使用することはない。
- 『ファンダイビング中意識して残圧計を頻繁に確認すること『『年に1度のO/H(オーバーホール)のメンテナンスを確実に行うこと』で、実際のファンダイビングの際に『セーフセカンドステージ(オクトパス)』を使用することは、ほとんどない。
- ファンダイビング使用時には、初心者のダイバーほど地面に着底することが多く、結果『砂場で引きずってしまったり』『岩場でぶつけてしまったりすること』が多い。『空気流量調節機能付きセーフセカンドステージ』を選択してしまうと、空気流量調節用のつまみが『砂がみ』『塩がみ』『変形』『破損』する可能性が高く、いらぬトラブルの元となってしまう。
- 『空気流量固定式セーフセカンドステージ』の方が空気流量調整つまみのないシンプルな構造で『トラブルも起こりにくく』『価格もリーズナブル』。
コンソールゲージの組み合わせに関しては、
結論
『残圧計とコンパスの2ゲージタイプ』を選びましょう。
- 『残圧計のみ』『残圧計、コンパス、水深計』などの組み合わせもあるが、のちのちコンパスナビゲーションの練習をするときに残圧計とコンパスが一体になっている『2ゲージ』の方が使いやすい。
- 水深計は、ダイビングコンピューターの機能に含まれているため、あえてアナログの水深計をコンソールゲージに加えてコンソールゲージを必要以上に『大きく』『重い』『じゃまなもの』にする必要はない。
- コンソールゲージが『大きすぎたり』『重すぎたり』『小さすぎて見つけにくかったり』『コンパスナビゲーションができなかったり』ということのない、残圧計とコンパスの組み合わせの2ゲージのタイプが、ダイビングコンピューターとの相性が良い。
【初心者向け】ダイビングコンピューターの選び方と使い方|インストラクターが解説!
以上が、基本的なレギュレーターの正しい選び方になります。
このレギュレーターの選び方をもとに、もっと詳しくレギュレーターの解説をしていきます。
レギュレーター選びの基本
・メーカーは、どこでも良い
・セカンドステージは『空気流量調節機能付き』
・セーフセカンド(オクトパス)は『空気流量固定式』
•コンソールゲージは『残圧計とコンパスの2ゲージ』
これだけおぼえておけば、大きく失敗する事はないよ!
レジャーダイビング器材メーカー製のレギュレーター
レジャーダイビング器材メーカー製のレギュレーターの買い替えサイクル
12〜13年(長くても15年が最長)
理由
- 数年ごとに、新しい機種が発売されるが、内部パーツは共通していない事がほとんど。
- 10年以上たつと、在庫のオーバーホール用供給パーツが生産されなくなる。在庫のパーツがなくなると、レギュレーター本体が使える状態だったとしても、メンテナンスができなくなる。結果的に買い替えをする必要が発生する。
- レジャーダイビングメーカーは、定期的な買い替えを促すために、どのメーカーも同じ考え方で製品開発をしている。
レジャーダイビング器材メーカー製のレギュレーター メリット&デメリット
メリット
- 軽い
- コンパクト
- デザイン性がある
デメリット
- 耐久性は低い
- 内部交換パーツの作りが簡素
- 買い替えスパンが短い
- 流氷ダイビングなど寒冷地仕様に対応していない機種がほとんど
(※通常仕様のレギュレーターは、流氷ダイビングなどの寒冷地では使用できない。流氷ダイビングの行われる環境の外気温と海水温が低すぎて、レギュレーター内部が凍り付いてしまう。『レギュレーター内部の作動パーツが動かなくなるため、呼吸が全くできなくなる』『激しいフリーフロー→エアが出っぱなしになる状態が止まらなくなる』などの不具合が生じてしまう。)
レジャーダイビング器材メーカー製のレギュレーターの購入に向いている人
- 軽さ、デザイン性を重視する人
- 最大耐久年数15年程度で納得できる人
- 新しい製品に対する興味が高く、より早いサイクルで、新しい製品に買い替えたい希望のある人
作業ダイビング器材メーカー製のレギュレーター
作業ダイビング器材メーカー製のレギュレーターの買い替えサイクル
最長25年
理由
- もともと潜水作業での使用が前提で作られているため、作業ダイバーに絶対に事故が起こらないように、本体が壊(こわ)れにくい頑丈(がんじょう)な作りになっている。
- 潜水作業の現場のニーズとして、できるだけ長いサイクルで1つのレギュレーターを使用できる方がランニングコストがかからず効率的なため、長いサイクルの使用年数が求められている。
- 新しい機種が発売されるサイクルもレジャーダイビング器材メーカーに比べてとても長く、定番品がかなり長い年数そのまま使用されている。
- 開発が進んでさらに性能が高くなったとしても内部パーツの性能向上や耐久性アップが進むため、オーバーホールの際の交換供給パーツの供給が止まってしまうような事が少なく、本体の買い替えを行うサイクルが長い。
- 外見上のデザインの刷新(さっしん)はないが、内部的な性能面でのマイナーチェンジを常に繰り返しているため、長く使用していても性能面に不安を感じることが少ない。
- 使用頻度にもよるので実際は、25年を待たずに買い換えるダイバーも存在する。
- 逆に25年経っても使用に全く問題ない場合もある。
- 最後は、メーカーの方から『そろそろ引退させてあげてください』と愛情のある言葉をかけられて25年程度で使用を終了することになる。
作業ダイビング器材メーカー製のレギュレーター メリット&デメリット
メリット
- 耐久性高い
- 流氷ダイビングなどの寒冷地仕様に対応している機種もある
(※寒冷地仕様のレギュレーターは、流氷ダイビングなどの環境下でもレギュレーターが凍らないように、『内部構造をオイルで封入したり』『吐いた息の暖かさを熱伝導率の高い素材で伝えたり』して、レギュレーター内部の作動パーツが凍らない仕様になっている。)
デメリット
- 重い
- 大きい
- デザイン性がない
作業ダイビング器材メーカーのレギュレーターの購入に向いている人
- 作業ダイビング器材メーカー製のレギュレーターの取り扱いのあるダイビングショップ、在籍インストラクターにアドバイスをもらいながらレギュレーターの購入を検討することができる人(※購入後のO/Hなどのメンテナンスを行う際に、取り扱いのあるショップの方が、スムーズに手配を行うことができる。また、メンテナンスの指導を受けたショップスタッフならば、多少のトラブルは、その場で『対処』『修理』を行うことも可能。取り扱いのないショップでは、トラブル対応のフットワークが鈍くなってしまうので、購入後のメンテナンスに関する利点恩恵が少なくなってしまう。)
- ライセンス講習を受けたダイビングショップで、作業ダイビング器材メーカー製のレギュレーターを使用したことがある人
- 軽さ、デザイン性を重視しない人
- 最大耐久年数15年程度で納得できない人
- 新しい製品に対する興味があまりなく、購入した製品をより長く使用したい希望のある人
2種類あるレギュレーターのセカンドステージ 空気流量調節機能『あり』『なし」の違い
空気流量調節機能付きセカンドステージ
空気流量調節ができる
- 呼吸する際の空気供給量を調節する回転式のつまみがついていて、『MAX(最大流量)側』『MIN(最小流量)側』に回転することで、空気供給量を調節することができる。
- 『個人個人の肺活量』や『ファンダイビングの際の使用状況』によって、空気供給量を『多くしたり』『少なくしたり』できる。
- 通常使用時は、MAX(最大流量)側とMIN(最小流量)側のちょうど中間に設定して使用するのが基本設定。
- 肺活量が極端に多い男性→『肺活量が多く通常使用時の設定で空気流量が少ない(呼吸抵抗が大きく、息を吸い込む時に重たい)と感じる場合』は、ややMAX(最大流量)側に調節し呼吸が楽に(軽く)感じる所につまみの回転位置を調節する。
- 肺活量の少ない女性→『肺活量が極端に少なくて、空気流量が多すぎる(呼吸抵抗が小さく、息を吸い込むときに軽すぎる)と感じる場合』は、ややMIN(最小)側に調節し呼吸が楽に感じる所につまみの回転位置を調節する。
- 『早い流れに逆らう』『波に逆らってビーチダイビングのエントリーをする』『泳ぎの早い生き物を見るためにダッシュする』などして、呼吸が大きく乱れて苦しさを感じた時。→MAX(最大)側の多めの空気流量に調節することで、呼吸が楽になり、より早く呼吸を整えることができる。→呼吸が整った時点で、また中間の通常使用時の調節に戻す。(※多めの空気流量にしたままだと、エアの消費量がいつもより多くなってしまうので、呼吸が整ったら必ず元に戻す。)
空気流量固定式セカンドステージ
空気流量調節ができない
- 呼吸する際に一定量の空気供給量で固定されている。
- 空気流量調節用の調節つまみはついていない。
- 空気流量調節機能付きセカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)のMAX(最大流量)側とMIN(最小流量)側のちょうど中間の普通の空気流量に固定設定されている。
- 『肺活量の多い男性、肺活量の少ない女性』『早い流れに逆らうダイビングをする』『波に逆らってビーチダイビングのエントリーをする』『泳ぎの早い生き物を見るためにダッシュする』などの『個人差』や『海洋状況による呼吸の乱れ』があった場合→ダイバー自信が固定された一定の空気流量に合わせて、意識的に呼吸を整えてダイビングを行う必要がある。
空気流量調節ができないことに関する対処方法
『肺活量の多い男性』『肺活量の少ない女性』共に対処法は同じ。
- 多少給気流量が少なめで空気流量が少なめと感じても、万人向けに誰でも支障ない程度の流量は確保されている。
- 初心者の頃は、『空気流量調節機能付きセカンドステージ』を使用していても、緊張しているので苦しさを感じてしまうことが多い。
- 緊張からくる呼吸の苦しさは『気のせい』なのであまり気にしない。
- 『潜降直後の緊張状態の最初の1分間』『ダイビング中に不安や息苦しさを感じた時』『早いフィンキックで息があがってしまい苦しさを感じたとき』などは、1度動きを止めて1分間ほど『強く吐いて→ゆっくり大きく吸い込む』『強く吐いて→ゆっくり大きく吸い込む』この、呼吸を整えるためのおおげさな深呼吸を心がける。
- 1分間の深呼吸で呼吸が整ったあとは、いつも通り何も考えずに無意識の普通の呼吸を心がける。
- この内容が理解できていれば『空気流量固定式セカンドステージ』でも、基本的なのんびりとしたファンダイビングを問題なく楽しむことができる。
レギュレーター購入時の『空気流量調節機能付きセカンドステージ』『空気流量固定式セカンドステージ』選択基準
価格面
- 空気流量調節機能付きセカンドステージ→料金設定高め
- 空気流量固定式セカンドステージ→料金設定低め
機能面
- 空気流量調節機能付きセカンドステージ→空気流量調節機能が充実
- 空気固定流量式セカンドステージ→機能面は普通
選択肢
- リーズナブルなものを求めるならば→空気流量固定式セカンドステージ
- 機能面が充実したものを求めるならば→空気流量調節機能付きセカンドステージ
呼吸技術の向上面
空気流量固定式レギュレーターと空気流量調節機能付きレギュレーターを使用していて、違いを感じる可能性があるポイント
- 普通に楽しくファンダイビングで呼吸することを考えれば、どちらのタイプを選択しても何も違いは感じない。
- 中上級者になったときに『安全に長い時間ダイビングをするために呼吸の消費量を抑えたい』『流れの激しいダイビングポイントで流れに逆らうダイビングをする時に、乱れた呼吸を整えやすくしたい』などの特別な希望が出てきた時に、その希望に対応して空気流量の調節ができるのが、空気流量調節機能付きのレギュレーターの利点。
伊豆高原ダイビングブログが、セカンド(2nd)ステージにオススメする機種は、『空気流量調節機能付きセカンドステージ』です。
理由
あとあとファンダイビングが上手になって中級者、上級者になったときに
- 『安全に長く潜るためにシリンダーの空気消費を節約する上級レベルの呼吸法』
- 『上級者しか潜れないような、流れの強い波の荒い海でファンダイビングを行う』
など上級者向けのテクニックを身につけようと思った際に、空気流量調節機能付きセカンドステージの方が、『汎用性が高く』最大限のパフォーマンスを発揮する事ができる。
伊豆高原ダイビングブログが、セーフセカンド(2nd)ステージにオススメする機種は、『空気流量固定式セーフセカンドステージ』です。
理由
- 基本的にエア切れの際、もしくはセカンドステージにトレブルがあった時に使用する可能性があるのですが、実際は『エア切れになることがほとんどない』『セカンドステージが吸えなくなることもほとんどない』ので、ほぼ一生使用することのない緊急用の機材に価格的に高価なものを選択するよりもリーズナブルな価格のものを選択する方が、トータルのコストパフォーマンスが高い。
- 使用時、地面に引きずってしまうことも多い器材なので、複雑な作りのも機能よりも、単純な作りの機能の方が、壊れにくくトラブルが少ない。
伊豆高原ダイビングブログが、セーフセカンド(2nd)ステージにオススメする機種は、日本アクアラング社製オクトパスABSです。
理由
- 空気流量固定式セーフセカンドで『ファンダイビング中に引きずってしまったり』しても、空気流量調整のためつまみ部分がないため『砂がみ』『破損』などのトラブルの心配が少ない。
- 軽量コンパクトで『運搬時』『使用時』に、じゃまになりにくい。
- 本体ケースが上下逆さまになったとしても、問題なく使用できる形状で、排気弁からの海水の侵入を心配する必要がない。
- 中圧ホースのカラーを『黄色』にしてわかりやすくしているため、メインのセカンドステージと間違いにくい。
レギュレーター金属部分の素材の違い
真鍮&メッキ製レギュレーター(一般的な素材を使用したレギュレーター)
メリット
- 材質に耐久性があり、価格的にもリーズナブル。
デメリット
- 長く使用していると、傷がついたりメッキが剥がれたりして、外見の見た目が悪くなる。
チタン製性レギュレーター(特殊な素材を使用したレギュレーター)
メリット
- 材質の硬度が高くしかも軽い。
- 傷つきにくく、年数が経っても外見の見た目があまり変わらない。
デメリット
- 特殊な素材のため削り出しでしか作る事ができず、パーツ制作に技術を要するため、価格が高額になる。
- 本体の材質であるチタンは、非常に耐久性が高く長く使う事ができるが、レジャーメーカ製のため他の一般的な真鍮&メッキ製のレギュレーターと耐久年数(買い替えのサイクル)は変わらない。
- 真鍮&メッキ製のレギュレーターと耐久年数(買い替えのサイクル)を比べた際に、チタン素材を使用するメリットがほとんどない。
- 一部のダイバーの間で勘違いされているのは、オーバーホールのサイクルに関して『チタン製だからオーバーホールは、2年に一度くらいで大丈夫!』は、間違い。
- チタン製のレギュレーターでもゴム製パーツの交換や基本機能の調整を行う必要があるため、オーバーホールのサイクルは、他の一般的な真鍮&メッキ製のレギュレーターと変わらない。
伊豆高原ダイビングブログでは、チタン製のレギュレーターは『頑丈(がんじょう)で軽いレギュレーターでないと安心できない』『ステイタスと所有する喜びのためにどうしても購入したい』という『どうしてもチタン製のレギュレーターが欲しい』と感じるダイバーの方以外には、オススメしません。
理由
- 軽いという利点はありますが、費用対効果があまりにも低すぎて、オススメできません。
- 初心者ダイバーの皆さんが高額の料金を支払ってチタン製のレギュレーターを購入するよりも、『その差額で、他の器材の購入費用に当てる方が、明らかに費用対効果が高い』と考えます。
購入後のレギュレーターファーストステージへの各ホース類取り付け位置(2タイプ)
セーフセカンド(オクトパス)左出し
メリット
- 右側にメインで呼吸するセカンドステージのみが配置される為、セーフセカンドステージ(オクトパス)と間違えることがなく、セッティング時も使用時も『自分が呼吸するメインのセカンドステージのみ右側』と覚えやすい。
- 実際のエア切れが発生した際に、相手にあげる(相手からもらう)際、通常のセカンドステージと同じ形状のセーフセカンドでも、逆さまになること無く正しい位置でくわえることができる。
デメリット
- 海外のダイバーは、右側にセカンドステージとセーフセカンドステージをセットアップすることが多く、海外ツアーの際現地のセッティングを専門にしてくれるスタッフがちょっと戸惑うことがある。
- 自分で使用しているメインのセカンドステージにトラブルが発生した際の予備として使用した際、何も考えずに左から手に取って口にくわえると上下逆さまになってしまう。構造的に、逆さまで使用すると排気弁から水が逆流して、海水が口の中にたくさん入ってきてしまい、呼吸に支障が出る。
- ダイビング指導団体やダイビングショップによって、右出汁の使用を推奨しているところもあるので、実際にエア切れの対処法を行おうとした時講習と手順が変わり戸惑う可能性がある。(※根本的にエア切れをおこさなければ、戸惑うことはない。)
セーフセカンド(オクトパス)右出し
メリット
- 右側に呼吸するセカンドステージとセーフセカンドステージ
(オクトパス)がそろっているため、セッティングの際も使用時も『呼吸する道具は右側』と、おぼえやすい。
デメリット
- 右側にセカンド(2nd)ステージとセーフセカンド(2nd)ステージがそろっているため、間違えて通常使用時にセーフセカンドステージを使用してしまう初心者ダイバーが非常に多い。(※セーフセカンド(2nd)ステージは『空気固定流量式』セカンドステージは『空気流量調節機能付き』を使用する事が多い。間違えてセーフセカンドステージを使用してしまうと、『汎用性のある性能の高い器材』を使わずに『汎用性がない性能の低い器材』をファンダイビング中に使用することになってしまうため、もったいない。)
結論
- 『右出し』『左出し』どちらでも良い。
- 『右出し』『左出し』どちらも正解。
- 『右出し』『左出し』どちらも間違っていない。
- 『右出し』『左出し』どちらが正解か議論する必要はない。
- 一緒にファンダイビングするガイドや仲間と『右出し』『左出し』を統一して合わせておいた方が、もしエア切れになった時のことを考えると、手順が統一され対処がスムーズになるのでおすすめである。
(※エア切れに対して正しい知識があれば、エア切れ自体にならないので両方が混在していても大丈夫と言えば大丈夫。ただ安全面を考えてよりきちんと準備をしておくならば、一緒に潜るグループのメンバー内で、『右出しか』『左出しか』を統一しておいた方が無難(ぶなん)である。)
レギュレーターセーフセカンドステージ(オクトパス)『右だし』『左だし』使用時の注意点
エア切れに対するセーフ(2nd)ステージ取り付け位置の違いに対する対処法
一緒に潜るインストラクターやガイド、ファンダイビングを行うグループ内で『右だし』『左出し』どちらか片方に統一しておく方がより理想的。
理由
- レギュレーターのセットアップの際、セーフセカンドステージが『右だし』『左だし』でタイプがバラバラだと、エア切れの対処の際『右出し』と『左出し』で左右異なる操作手順で対応に戸惑う可能性がある。
セーフセカンド(オクトパス)の形状2タイプ
セカンドステージと同型のタイプ(※本体ケースに対して『マウスピースが上』『排気弁が下』に配置された構造)
- セーフセカンドステージ(オクトパス)の形状がセカンドステージと同じ形状の通常タイプは、エア切れの対処の際『右出し』と『左出し』で左右異なる操作手順で対応にとまどう可能性がある。
- 『右出し』で取り付けた際に、万が一エア切れで相手にセーフセカンドステージ(オクトパス)を渡した際に、上下逆さまにくわえてしまう可能性があり、排気弁から海水が逆流し入ってきてしまい呼吸に支障が出る可能性がある。
通常の形のセカンドステージ&セーフセカンドステージでは、構造上下逆さまに使用すると排気弁から海水が逆流してしまうため、正位置でしか使用することができない。
セカンドステージと異なる形状型の新しいタイプのセーフセカンドステージ(※本体ケースに対して、マウスピースも排気弁も横に配置された構造)
- セーフセカンド(2nd)ステージ(オクトパス)の本体ケースの形状が、上下ひっくり返しても変わらない構造のため、『右だし』『左だし』どちらから相手に渡しても排気弁から海水が侵入することがない。
- 自分の使用するメインのセカンド(2nd)ステージにトラブルがあり、緊急でセーフセカンド(2nd)ステージを自分の呼吸用として使用しても『右だし』『左だし』にかかわらず全く問題ない。
伊豆高原ダイビングブログでは、構造的に上下ひっくり返しても排気弁から海水が侵入することのない、安心して使用できる形状の新しいタイプのセーフセカンドステージ(オクトパス)の購入&使用をオススメします。
各レギュレーターセットアップ&使用時の共通の注意点
1番重要なこと
- エア切れを起こさないダイビングを意識して行う事。
- 『右出し』『左出し』どちらでセットアップしたとしても、エア切れさえ起こさなければ、セーフセカンドステージを使用する必要がない。
- 使用する必要がなければ、結局『右出し』でも『左出し』でも、どちらでも構わないことになる。
- 万が一に備える意味では、ファンダイビングを行う際のガイドさんやグループのメンバー内で『右出し』と『左出し』どちらかに統一した方が、より安全性が高いファンダイビングを実行することができる。
『右出し』『左出し』の前に、そもそもエア切れ起こさなければいいだけの話だよね!この意識を持ってダイビングすることが超重要!
器材セッティング&エアチェック
器材セッティング
- 左右どの方向に各ホース類が配置されるか考える。
- ヨークスクリューを回しダストキャップを外す。
- シリンダーの空気の出口の穴とOリングの状態を確認する。
- シリンダーのOリングの配置された空気出口付近のくぼみと、レギュレーター1stステージの空気の入り口付近のでっぱりの、凹凸を合わせてヨークスクリューを『軽くギュッとしめて』固定する。(※めいいっぱい強い力でしめすぎると、最後に外せなくなることがあるので、注意が必要)
エアチェック
エアチェックの手順
- シリンダーのバルブを右手で少しだけ開けて、残圧計の針が200気圧位、最低180気圧以上になることを確認。
- 残圧計の針が180気圧以上あることが確認できたら、バルブを全開に開いて止まったところからひとひねりだけ戻す。
- セカンドステージのマウスピースをしっかりとくわえて、2〜3回深呼吸して『吸ったり』『吐いたり』が普通にできることを確認する。
- B.C.D.のインフレーターボタンを操作して、『給気(めいいっぱい膨らませて、パンクしていないこと、給気が止まらないトラブルが発生していないこと)』、『排気(空気がきちんと排気されていること、排気されっぱなしになっていないこと)』の確認をする。
- エアチェック終了時点で、180気圧以上の空気がシリンダー内に残っていることを確認。
- ログデータとして、潜水前に残圧が何気圧入っていたか確認し記憶しておく。
- エアチェック後すぐに潜る時は、バルブは閉じずにそのままにしておく。
エアチェックの際の注意点
- バルブを強く開けすぎて、バルブが戻せなくなることがあるので、最後にバルブをひとひねりもどして『あそび』をつくる。
- 『ひとひねり戻す』=バルブの一回転の半分の1/2回転。ほんの少しだけもどすイメージ。勘違いしてバルブをたくさん回して全開に開いた状態から、またたくさん回して全開の状態の『半分の位置までバルブの回転を戻してしまう』危険な初心者ダイバーが多い。
- なぜ危険なのかの理由→たくさん戻してバルブが全開の状態の半分しか開いていないと、深い水深に潜った際に、シリンダー内の空気が十分にあっても呼吸ができなくなる可能性があるため。
- バルブをたくさん戻しすぎてしまうと、シリンダーから供給される空気の内側からの圧力よりも、海水に押される外側からの圧力の方が強くなる。結果的にシリンダー内の空気は十分残っているにもかかわらず、レギュレーターからの空気が吸えなくなり、エア切れと同じ状態になってしまう可能性が高い。
- 『セカンドステージ』『セーウセカンドステージ』ともに吸うだけでなく、吐く方も確認する理由→時々排気弁が本体ボディーにはり付いてしまい『息が吐けないこと』があるから。
- 排気弁が本体ボディーにはり付いて息が吐けなくなった時の対処方→スノーケルクリアの要領で、ちから強く一気に息を吐き切ってあげれば、排気弁が本体ボディーから離れる。その後は普通に呼吸ができるようになる。
- 残圧計を読むとき、『1の位は切り捨てて読まない』ようにする。『199気圧くらい入っていたとしても、191気圧くらい入っていたとしても』どちらも190と読む。『ログブックに記入する時』『ガイドさんにハンドサインで知らせる時』も同じ。
残圧計の針が190気圧と200気圧の間にある。この場合は、190気圧で『ログブックに記入』または『水中でガイドさんに知らせる』ようにする。
残圧計の針が190気圧と200気圧の間にある。この場合は、190気圧で『ログブックに記入』または『水中でガイドさんに知らせる』ようにする。
潜水終了後のエアの確認
- 最後にログデータとして、潜水後に残圧が何気圧のこっていたか確認し記憶しておく。
- 1本目(1回目)ダイビングを終えて、次のシリンダーをセットした後に、休憩や着替えのためにしばらく潜らずその場を離れる場合→1度バルブを完全にしめて、セーフセカンドステージまたは、セカンドステージのパージボタンを押してレギュレーターのホース内に残っている高い圧力の空気を完全にぬいておく。その際残圧計の針が0になったことを確認する。
- 長時間強い圧力の空気がホース内に残っていると、中圧ホース&高圧ホースに負担がかかり続けるため、劣化の原因となる。休憩や着替えのためにしばらく潜らずその場を離れる場合は、各ホース内の高い圧力の空気をぬいておき、負担がかからないようにする。
レギュレーターのメンテナンス
毎回のメンテナンス
- 全体の水洗い
- セカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)本体内部の水洗い
- 呼吸する際に空気が出入りするマウスピースの穴に、水道につないだホースの水流を多めに流し込み、本体内部を水洗いする。
- 特にセーフセカンドステージ(オクトパス)は、砂場などで引きずって砂がないっていることも多いので、強めの水流でしっかりと内部を洗い砂やゴミを洗い流す必要がある。
毎回のメンテナンスの際の注意点
全体の水洗いの際の注意点
洗う前に必ずダストキャップがしっかりしまっているかを確かめる。
- ダストキャップを開けたまま水洗いしてしまうと、本来水が侵入してはいけないファーストステージの本体内部に水が侵入してしまい、不純物が入る。
- 呼吸した際の空気が出過ぎる。
- 呼吸した際に空気が出っ放しになる。
- 呼吸した際の空気が止まって呼吸できなくなる。
- 呼吸に関してトラブルが発生する可能性があり危険。
ダストキャップを開けたまま水洗いしてしまった時には、すぐにメーカーのO/H(オーバーホール)に出してメンテナンスをおこなう必要がある。
セカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)本体内部の水洗いの際の注意点
セカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)パージボタンを押さない。
- 押すつもりがなくても、『セカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)』を持った時にパージボタンが押されていることがある。
- パージボタンを押したまま『セカンドステージ&セーフセカンドステージ(オクトパス)』の水洗いをしてしまうと、中圧ホース&高圧ホース内部に水が侵入してしまう。
- 中圧ホース&高圧ホース内部に水が侵入してしまうと、結果的にファーストステージ内部にも水が侵入してしまう。
- 中圧ホース&高圧ホース内部に水が侵入してしまうと、残圧計内部に水が侵入してしまうことも多い。この場合は、残圧計内部の水没が原因で、後々針の動きががカクカクと『動いたり止まったりを』繰り返すようになる。
- 残圧計の水没がひどい場合は『針が完全に止まってバルブを開けても全く動かず0のままだったり』『針を動かそうと思って軽く残圧計を叩いたら、針が腐食していてポロッと取れてしまう』といった状況になることもある。
水洗いが終わった際や、運搬保管時のレギュレーターのホース類の正しいまとめ方の注意点
ホースを折り曲げて保管しない。
- 中圧ホースや高圧ホースを折り曲げて運搬保管すると、急角度で折れ曲がった部分に負担がかかり、亀裂が入るなどの劣化が起こりやすくなる。
- 亀裂が入るなどの劣化した部分から中圧ホースや高圧ホースが破裂(パンク)してエアが出っ放しになるなどのトラブルが起こる可能性が高くなり危険。
レギュレーターのホース類の正しいまとめ方
すべてのホース類を輪になるようにまとめて、各ホースが折れ曲がらないようにする。
レギュレーターの年間のメンテナンス
レギュレーターは使用頻度にかかわらず毎年、年に1度O/H(オーバーホール)が必要
頻繁に使う人の方が塩がみによるトラブルが少ない
- 塩がみするということは、1度使用して水洗いした後に、完全に乾燥した状態が長く続くことで塩の結晶化が起こることで発生する。
- 頻繁に潜るダイバーの場合は、完全に乾燥して塩が結晶化するようなことが『起こりにくい』。
たまにしか使わない人の方がトラブルが多い。
- 1度使用して水洗いした後に、長くブランクを開けてしまうとレギュレーターの細かい隙間に残った海水が完全に乾燥した状態となる。
- 結果的に使用頻度が低い方が、塩の結晶化が『起こりやすい』。
使用頻度に関わらず、年1回のO/H(オーバーホール)メンテナンスが必要!
チタン製レギュレーターもメンテナンスは、真鍮&メッキ製レギュレーターと同じ頻度で必要だよ!
まとめ
今回の記事では、
- 伊豆高原ダイビングブログがオススメするレギュレータの選び方
- レジャーダイブメーカーのレギュレーター
- 作業ダイブメーカーのレギュレーター
- 2種類あるレギュレーターのセカンドステージ流量調節機能の違い
- レギュレーター金属部品の材質の種類『おもにファーストステージ』
- 購入後のレギュレーター1stステージへの各ホース類取り付け位置(2タイプ)
- 器材セッティング(レギュレーター)
- エアチェック(潜水前点検)
- メンテナンス方法(毎回と年間)
について解説しました。
ダイビングはレギュレーターなしでは、海に潜れない遊びです。
ファンダイビングで海に潜る際の呼吸の確保は、レギュレーターに全て依存することになります。
直接『命を預ける』器材だからこそ、きちんとした知識を持って、納得できるレギュレーターを選ぶ必要があります。
これからレギュレーターを揃える初心者ダイバーの皆さんは、この記事を参考にご自分のレギュレーターを選んでください。
もうすでにご自分のレギュレーターをお持ちの初心者ダイバーの皆さんは、ご自分のお手元のレギュレーターの性能をきちんと理解した上で、正しい使用方法でファンダイビングを楽しめるようにしていってください。
『レギュレーターという海中で呼吸ができる画期的な器材』が開発されたからこそ、泳ぎが苦手な人でも安全にダイビングを海を楽しめるようになりました。
我々ダイバーにとって、とても大切な『レギュレーター』という器材を『理解して』『使いこなして』ダイビングを安全に楽しんでいこうね!