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毎回初めてのお客様とご一緒する時、ご自分の適正ウエイトがわからないダイバーが多いことに驚きます。
多くの初心者ダイバーが、適正ウエイトの把握をインストラクターやガイドダイバーまかせにして自己管理しようと思っていないことが原因のひとつと推測されます。
初心者のダイバーの皆さんも自分の適正ウエイトを聞かれたときに答えられず、なんとなく不安に感じた事があるはずです。
インストラクターやガイドダイバーそして皆さん初心者ダイバーが、おたがいに安全管理を人まかせにして安全に関する注意をおこたったファンダイビングをしてしまうと、ダイビング全体の安全性が低下して事故につながることもあります。
今回の記ウエイトが軽すぎると事では、この業界で29年仕事をしているインストラクターが、適正ウエイト量とウエイトベルトの正しい使い方について解説します。
適正ウエイト量を自己判断できること、正しいウエイトベルトの使い方を知っていることは
- ダイビングの基本である
ウエイトが軽すぎると
- 潜降できず焦りが増し、エアの消費が増える。
- 潜降できず焦りが増し、パニックを引き起こすきっかけになることもある。
- ファンダイビングの最初と最後の浅い水深で中性浮力を保つ事ができず、身体が浮いてしまう。
- 急浮上につながることもある。
ウエイトが重すぎると
- 潜降の際に水底まで一気に落下してしまい耳抜きがうまくいかず、耳を痛める恐れがある。
- 中性浮力確保に余分なエアが必要になる。
- エアの消費が早くなる。
適正ウエイトで潜るとどの水深でも適切な状態で
- 安全な潜降。
- ファンダイビング中の中性浮力の確保。
- 安全な浮上。
ができる。
この記事で適正ウエイト量の算出方法と正しいウエイトベルトの使い方とを知ることで、次回のファンダイビングが今までのファンダイビングにくらべて安全安心でスムーズなものに変わります!
【初心者向けダイビング器材解説】安全潜水の基本3点もインストラクターが解説!
自分の適正ウエイトを把握し、ウエイトの正しい使い方を覚えて、いつでも安心安全なダイビングができるように心がけよう!
適正ウエイト算出方法
ベースとなる基準値 アルミタンク 5mmウエットスーツ ツーピース 体重の1/10(四捨五入)
※以降基準値に+または−する。
- スチールタンク使用 基準値マイナス3kg
- 5mmワンピースウエットスーツ使用 基準値マイナス2kg
- 3mmフードベスト使用 基準値プラス1kg
3.5mmネオプレーン製 新品ドライスーツの場合
- 薄手の専用インナー使用 基準値プラス2kg
- 厚手の専用インナー使用 基準値プラス4kg
(※ケースバイケース 各インナーの厚さによってウエイトの重さがかわる。)
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適正ウエイト算出方法の注意点
- ベースとなる基準値は、あくまでも平均的な値で、初心者ダイバーにピッタリ当てはまるものではない。
- 初心者の頃の適性ウエイト量は、かなりの個人差があるので、あくまでも目安。
- プールでウエイトベルトをつけて大きく息を吸い水面に浮かび、長く息を吐き出し続け何キロで沈むかウエイトの調整の確認をするのが、正しい適正ウエイトの指標と言われている。
- 実際のファンダイビングの現場では、『あせり』『緊張』『ムダな動き』『海洋状況』などの左右されて、プールと同じウエイトのkg数では沈めない場合が多い。
- ファンダイビングで潜る時には、更に個々の初心者ダイバーに合わせてウエイト調整をする必要がある。
- 淡水と海水は比重の違いから、適正ウエイトのkg数が1kgちがう。淡水(淡水プール)よりも海水(海や海水プール)の方が1kgウエイトが多く必要になる。
- ドライスーツを利用する際は、最初のドライスーツ実習で、必ず各自に合わせてウエイトの調整をする。
適正ウエイトのkg数は、最初の数年は、潜水本数が増えるほど、だんだんと減っていきます。
理由は、
- 精神的に落ち着く。
- ダイビングの動きに慣れる。
- ウエットスーツが、毎回の潜水のたびに水圧で押し潰されて、年々薄くなることで浮力が少なくなる。
ことなどが考えられます。
1番最初に使い始めたときから何年たってもウエイトのkg数が変わらないと思っていると、ある程度の年数と経験本数が増えてきたときに、適正ウエイトよりもかなり重い状態になってしまうことがあります。
ファンダイビングをしていて、『ウエイトが重たすぎる』と感じることがあったら、適正ウエイトのkg数を見直してください。
適正ウエイトの個人差
個人差とは『筋肉量や体脂肪率などの体質』『個人個人の性格』『個人個人の水に対する慣れ具合』『ダイビングに慣れるスピード』などの違いです。
体脂肪率
体脂肪率が高めで筋肉量が少ない人
- 脂肪は軽く水に浮きやすいので、筋肉量が少ない人は水に浮きやすい。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が多い。
体脂肪率が低めで筋肉量が多い人
- 筋肉は重く水に沈みやすいので、筋肉量が多い人は水に沈みやすい。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が少ない。
性格
陸上の生活から慌てやすい性格の人
- 潜降の際に慌てやすく、手足がジタバタすることで浮きやすく潜りにくい。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が多い。
陸上の生活から落ち着いていて何があってもあまり動じない性格の人
- 潜降の際に比較的に落ち着いていて、必要以上に手足がバタバタしないため、沈みやすく潜降しやすい。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が少ない。
水中への適応能力
水泳や競泳、レジャーとしての海水浴やスノーケリングの経験がなく、水慣れしていない人(カナヅチな人)
- 潜降の際に慌てやすく、手足がジタバタして浮きやすく潜降しにくい
- 比較的適正ウエイト量が多い
水泳や競泳、レジャーとしての海水浴やスノーケリングの経験があり、水慣れしている人
- 潜降の際に落ち着いていて、バランスも良く、手足がジタバタしないため比較的沈みやすく潜降しやすい
- 比較的適正ウエイト量が少ない
同じ潜水本数でのダイビングの慣れ具合
同じ本数潜っても、ダイビングを始める前に水に慣れていなかった初心者ダイバーの場合
- ダイビングに慣れるまでに、時間がかかる。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が多い。
同じ本数潜っても、ダイビングを始める前から水に慣れていた初心者ダイバーの場合
- ダイビングに慣れるまでに時間があまりかからない。
- 比較的に、適正ウエイトのkg数が少ない。
同じ体重、同じ経験本数、でも個人差によって適正ウエイト量には大きな開きがある。他のダイバーの適正ウエイト量のことは気にせず、自分自身の適正ウエイト量を早い段階で把握しておこう!
ウエイトベルトの種類
通常ウエイトベルト
- ウエイトベルトは、各ダイビングショップまたは、現地ダイビングサービスでレンタルするのが一般的。
- ウエイトベルトを自分で所有するダイバーは少ないが、ウエイトベルトのレンタル料金節約のためにマイウエイトベルトを持つダイバーもいる。
- 単純にバックルに、幅広のナイロン性の硬いウエイトベルトを取り付けたもの。
- ベルト部分にウエイトの鉛製の玉を通して使用する。
- 弓形に湾曲したウエイトの玉の2つある穴のうちの片方の内側からベルトを通し、もう1つの穴の内側に向かって通して使用する。
- ウエイトの玉の湾曲した内側が身体に当たるようにベルトに通す。
- ウエイトの玉の湾曲した外側が身体に当たるようにベルトに通してしまうと、腰骨などにウエイトの玉が当たり痛い事がある。
- バックルの隣のウエイトの玉が近すぎるとウエイトが挟まってバックルが閉まらなくなる。
- バックルの隣のウエイトの玉閉じた手のひら分開けるようにする。
- 適正ウエイトを、左右ほぼ同じウエイトのkg数になるように振り分ける。
- タンクに押されてウエイトが腰骨に当たらないように、開いた手のひら分、背中にスキマを作る。
偶数ならば、左右均等に
(例)トータル6kgならば、右3kg、左3kg
奇数ならば、左右1kg差まで
(例)トータル5kgならば、右(左)3kg、左(右)2kg
(※①1kg差ならば左右どちらでもほとんどバランスに影響ない。気のせいなのだが、どうしても気になる人は利き足側を重くすると心配が減る。利き足とは、サッカーボールや石を蹴飛ばす方の足の事。利き足の方がより力強く蹴れる分意識しなくても自然とバランスが取れる。)
メッシュポケット付ウエイトベルト
使用目的
- 腰痛に不安のあるダイバーの腰痛予防。
- 通常のウエイトベルトでは、腰骨にウエイトが当たって痛くなってしまうダイバーの痛み緩和用。
- BCDの種類やウエイトの玉の位置によって、BCDの生地に何度も当たって擦れる事で、生地に穴が開かないように保護するため。
上記箇条書き項目に当てはまるダイバーは、自分専用のメッシュポケット付ウエイトベルトを所有するメリットがあるよ!
バックルの種類
金属製バックル
メリット
- 金属製で硬いため壊れにくい。
- ベルトにしっかり食い込むので、バックルを閉めた際の固定力が強い。
デメリット
- ベルトにしっかり食い込むので、固定力が強い反面ベルトの方が比較的痛みやすい。
- バックルで指を挟んでしまった時に切り傷などの怪我をする可能性があるので、バックルを締める際に指をはさまないように注意が必要。
正しいバックルの使い方
- バックルは、90度に起こしてベルトを通す
- バックルは、しっかり90度起こしていないとベルトを通しにくい
- バックルは、最後に指で摘んでパチンと隙間なくしっかりと締める
バックルは、最後までしっかりしまっていないと岩などに引っかかって、意図せずバックルが空いてしまい脱落する可能性がある。ウエイトベルトが脱落すると、急に浮力が増して体が急激に浮上する可能性があり、危険な場合がある。
安全のためにも正しくバックルを使って、ウエイトをしっかり固定しよう!
プラスチック製バックル
メリット
- ベルトへの食い込みが優しいので、比較的ウエイトベルトが痛みにくい。
- 指を挟んでしまった時に金属製のバックルに比べて、手を切るような怪我をしにくい。
ベルトへの食い込みが優しいので、比較的ウエイトベルトが痛みにくい。
指を挟んでしまった時に金属製のバックルに比べて、手を切るような怪我をしにくい。
デメリット
- 長い年数使用していると、太陽光の紫外線が当たることで経年劣化が起こり、割れる事がある。
- 金属製のバックルに比べて軽量だが、強度は劣る。
スプリング自動調整機能付バックル
メリット
- 体型的にお腹が出ている方は、ダイビングの際水圧でウエットスーツやドライスーツが薄くなった時にベルトにゆとりができて下にずり落ちてきてしまう。
- スプリングの付いたバックルであれば、水圧でウエスト周りが細くなったり元に戻ってきたりした際の伸び縮みに対応して閉めたり緩めたりを自動的にしてくれる。
デメリット
- シンプルな普通のバックルに比べて作りが複雑なので値段が割高。
- シンプルな普通のバックルに比べて作りが複雑なので、普通のバックルに比べてて耐久年数が短め。
- 通常のバックルでも、水中でベルトが緩んだ分(緩んでいたベルトを締めたものが、逆に元に戻ったキツくなっても)締め直せば良いので、必ず必要という物ではない。
ウエイトベルトはレンタルするのが普通だが、腰痛予防やBCD保護、レンタル料金節約など、必要と感じる人は自分専用のウエイトベルトで潜る様にしよう!
ウエイトの種類
2kg玉
- ダイビング中に使用するウエイトで一番重い(大きい)ウエイト。
- 鉛製。
1kg玉
- ダイビング中に使用するウエイトで一番軽い(小さい)ウエイト。
- 鉛製。
1.5kg玉
- ダイビング中基本的にほとんど使用することのないウエイト。
- 鉛製。
1.5kg玉を使用することが少ない理由
- 現地サービス、ショップがウエイトを管理する際3種類のウエイトの玉を用意するよりも、2種類のウエイトのみを用意した方が、管理がしやすい。
- 適正ウエイトの調整自体がやや複雑なので、ウエイトの玉が2種類の方が、単純で、調整がしやすい。
1.5kg玉はあるが、ほとんどの現地サービスやダイビングショップで用意されていない。基本無いものと思ってダイビングしよう!
まとめ
ダイビングの際に自分の適正ウエイトを自分自身で把握していないために、ダイビングの安全性が低下したり、ダイビングの上達が遅れてしまうことが多いです。
自分自身の適正ウエイトを把握して、自分に合ったウエイト量で潜ることで、ファンダイビングの安全性やダイビングの上達スピードが向上します。
たかがウエイトとあなどらず、インストラクターやガイドダイバーにアドバイスを受けながら、自分自身の現時点での適正ウエイトをしっかりと把握して、ダイビングをおこなって下さい。
ファンダイビング当日の朝、インストラクターやガイドダイバーから一番最初に聞かれる質問がご自身の適正ウエイトの量です。
皆さん各自が、その日の朝からしっかりと適正ウエイトの量をインストラクターやガイドダイバーに伝える事ができるだけで、双方が安心してその日のダイビングのスタートを切る事ができます。
安全で楽しいダイビングは、適正ウエイトを把握することから!
皆さんの次回のダイビングが安全で楽しいものになることを期待しております!
本日のおさらい
ウエイトベルト
- 基本的にレンタル。
- 自分で揃える必要はない。
バックル
- 金属製
- プラスチック製
- スプリング機構付金属製バックル
上記3種類あるが、ほとんどのダイビングサービスとショップでスプリング機構付金属製バックルの取り扱いがない。
実質的に使用するのは、金属製とプラスチック製の2種類と考えて良い。
- バックルを正しく使用しないとファンダイビンつ中に外れて脱落する事がある。
- バックルを正しく使用して安全なダイビングを心がける。
ウエイトの玉
- ウエイトの玉
- 2kg玉
- 1kg玉
- 1.5kg玉
上記3種類あるが、ほとんどのダイビングサービスとショップで1.5kg玉の取り扱いがない。
メッシュポケット付ウエイトベルト
- 腰痛予防
- 腰に当たるウエイトが痛い場合の痛み軽減
- B.C.D.保護
上記3つの目的で自分専用のメッシュポケット付ウエイトベルトを所有し使用するダイバーもいる。
各自正しい適正ウエイト量とウエイトベルトの使い方を把握して、安全安心なダイビングを目指そう!必要を感じる人は、メッシュウエイトベルトの利用でダイビングを快適にしよう!