ダイビングインストラクターが【初心者向け|フィンの正しい選び方と使い方を解説!】

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ダイビングインストラクターが【初心者向け|フィンの正しい選び方と使い方を解説!】

この記事を読むと

  • ダイビングする際に、オススメのフィン
  • 選択したフィンの正しい使用方法
  • 選択したフィンでダイビングする際の正しいフィン泳法
  • ダイビングにおいてなぜフィンが重要なのか?

が解ります。

結論からお伝えすると

オススメのフィンは『GULLのMEWです!』

この記事を読んでいる初心者ダイバーの皆さんはもちろん、ある程度の本数を潜っているダイバーの皆さんの中にも、ダイビングしていて

  • 上手くフィンが蹴れない。
  • 上手く進む事が出来ない。
  • ダイビングがとても疲れる。
  • ダイビング中バランスを取るのが難しい。

等、フィンの取り扱いで困っている方も多いと思います。

今回オススメするフィン『GULLのMEW』を使う事でそれらの困り事が解決する理由を『ダイビングショップ勤務歴30年目のインストラクター』が詳しく解説します。

【初心者向けダイビング器材解説】安全潜水の基本3点もインストラクターが解説!

ダイビングする際にオススメのフィン

多くのプロのインストラクターやガイドダイバーから絶大な信頼を集める名フィン GULL(ガル)のMEW(ミュー)

まずは、ウエットスーツで潜る際に一番オススメのフィンを紹介します。

オススメのフィンは、GULL(ガル)のMEW(ミュー)

これは、以前の記事でご紹介したマスクGULL(ガル)のMANTIS(マンティス)と同じく永遠の定番品です。このフィンが万人向けで、老若男女の誰が履いても間違いのない、ダイビングの際に泳ことがとても楽になる最高のフィンです。

GULL(ガル)のMEW(ミュー)は、ラバー製(ゴム製)のフィンです。「ブーツスポット」「キール」「ブレード」全てがしなやかで腰があり、少ない力で最大限の反発力と推進力を発揮してくれる頼れる相棒です。

良い製品は、ダイビングに限らずどの分野の道具でも見た目がとても美しく無駄が有りません。このフィンも「余計な所」「足りない所」どちらも無い完璧な美しいフォルムです。

適度にしなやかで柔らかいフィンは

  • 泳ぐ際に無駄な力を入れなくても十分にしなってくれる。
  • 最小限の力で最大限の推進力を発揮してくれる。
  • 長い距離を泳いでも脚に最小限の負担しかかからない。
  • 短い距離を全力で泳いだ後も、脚に最小限の負担しかかからない。

等、メリットがとても多いです。

柔らかすぎるフィンは

  • しなり過ぎて反発力が少ない。
  • 十分な推進力を得る事が出来ない。
  • のんびり泳いでも、効率よく進まないため、脚への負担が大きくなる。
  • どんなに強く早くバタ足をしても空回りしてしまい、脚への負担が大きくなる。

硬すぎるフィンは

  • 大きくしならせても、反発力が少ない。
  • 十分な推進力を得ることができない。
  • のんびり泳いでいても、フィンが硬すぎて脚が疲れてしまう。
  • 強く早くバタ足をしても、疲れるだけでスピードが出ない。

柔らかすぎるフィン、硬すぎるフィン共にメリットはほとんどなく、デメリットの方が多いです。

柔らかすぎず、硬すぎず、そんな絶妙なバランスを保ったフィンがGULL(ガル)のMEW(ミュー)と言うフィンです。

伊豆はもちろん、全国の多くのインストラクターやガイドダイバーがこのフィンを愛用しています。今度ダイビングで海を訪れたときに、周りのプロのスタッフのフィンを気にして見てみて下さい。ほとんどのプロダイバーが愛用していることで、その信頼度の高さに気づくはずです!

(※SOFT(ソフト )MEW(ミュー)やHEARD(ハード)MEW(ミュー)を選択する必要は有りません。普通のMEWを使い込んでいくうちに自然とこなれてSOFT(ソフト)MEW(ミュー)と同じ位柔らかくなります。SOFT(ソフト)MEW(ミュー)は、使い込んで行った際に柔らかくなり過ぎて、しならせた際の反発が弱くなってしまいます。HEARD(ハード)MEW(ミュー)は硬すぎて脚への負担が大きく、万人向けとは言えません。)

名フィンのMEW(ミュー)、サイズ選びの注意点

名フィンのMEW(ミュー)、サイズ選びの注意点

使用するブーツにあまりにもピッタリしたサイズを選んでしまうと特に力のない女性は、着脱に苦労してしまいます。これは、履く時も脱ぐ時もピッタリすぎるとキツすぎて着脱がしにくくなるからです。カタログスペックでブーツに対する適合サイズも載っていますが、人の足は個人個人『形』が違います。

同じサイズのブーツを履いていても

  • 甲の高い低い
  • 幅の広い狭い

など個人差がかなり有ります。

適合と思われるサイズを購入しても

  • 緩い人
  • きつい人

と、個人個人必ず差が有ります。

そこで、使用するサイズのブーツを履いた状態で、後述するフルフットフィンの履き方に沿ってフィッティングを必ず行って下さい。

着脱してみて

着脱してみて

  • 『着脱しにくい程きつい場合は』サイズアップ。
  • 『足踏みをしてみたり、足を軽く振ってみて、脱げてしまうほど緩い場合には』サイズダウン。

が必要です。

ちょうど良いサイズ感は

  • 着脱がスムーズに出来てフィット感にある程度のゆとりがある事。
  • 足踏みをしたり、足を軽く振ってみた時に、フィンが脱げてしまわない事。

この2点が基準となります。

出来れば、経験のあるインストラクターやガイドさんにアドバイスをもらって実際にサイズ感を見てもらってから購入すると間違いがないです。どうしてもアドバイスをもらう事が出来ない場合は、上記の点を確認した上で各自で購入してみて下さい。

ドライスーツはブーツが大きく分厚いので、ブーツスポットの大きいゴム製(ラバー製)のストラップフィンが必要になります。
中でもオススメがGULL(ガル)Bonito485(ボニート485)。※485は48.5cmの長さという意味。
ドライスーツのブーツが27cm以上の方は、一回り『長さと』『ブーツスポットの大きい』Bonito515(51.5cm)を選択するとすると着脱もフィンスイミングも快適です。

ドライスーツ使用時にオススメのフィン

MEW(ミュー)は、ウエットスーツで使用する時には良いフィンですが、ドライスーツ使用時には使用することができません。理由は、ドライスーツのブーツが大きすぎて、ウエットスーツ用のブーツに合わせて作られているMEW(ミュー)を、履くことができないからです。

ドライスーツ使用時には、GULL(ガル)のBonito485(ボニート485)がオススメ

残念ながら現行のカタログからは姿を消してしまいましたが、このフィンに信頼をおいているダイビングショップは、カタログ外製品として依然として取り扱う事が出来ています。

ご自身の利用しているダイビングショップで購入可能な方は、是非手に取って見て下さい。

ストラップフィンを利用する際は、着脱がしやすいように『フィンストラップフック』を取り付けて使用するダイバーも多い。写真は、GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)。

『GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)』もドライスーツと相性の良いフィン

お近くの店舗で『GULL(ガル)のBonito485(ボニート485)』購入する事が出来ない方は『GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)』もドライスーツと相性の良いフィンです。

『GULL(ガル)のBonito485(ボニート485)』と比較して、やや柔らかく薄いので、推進力と耐久性の面で少し劣る部分はあります。しかし、『GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)』も、十分にドライスーツでのダイビングを支えてくれる良いフィンです。

ご購入の際は、こちらの二つのフィンから、入手可能なものをお選び下さい。

選択したフィンの正しい使用方法

ダイビングする際の正しいフィンが解ったところで、次にそのフィンの正しい使用方法を説明します。

ウエットスーツの際に使用するGULL(ガル)のMEW(ミュー)の場合

  • 踵が靴と同じ形状のフルフットタイプと呼ばれるものになります。この踵部分を裏返してブーツを履いた足のつま先が奥まで入り易い状態を作ります。
  • 次に、その折り返した踵部分に指先を深く差し込み、そのまま折り返し部分を元に戻しながら踵にしっかりフィットする様に一気に上まで持ち上げて履く様にします。
  • この時急ぎ過ぎて指先が深く入っていないと、折り返しがしっかり持ち上がらずに踵が上手く履けません。焦らずしっかりと指先を深く差し込む様に注意しましょう。
  • またフルフットフィンを脱ぐ際は、真後ろの踵部分では無く、内側の土踏まず(またはその逆の足の外側の隙間)に親指を差し込み、隙間に沿うように踵部分に滑り込ませてから一気に踵部分を下に下げます。こうする事で、ストラップフィンのストラップを下げる場合とほぼ同じ状態で脱ぐ事が出来ます。
靴のような形状のフルフットフィンの踵部分。
フルフットフィンを履く際はこのように大きく折り返して準備します。
裏返した踵部分の隙間に指先を深く差し込み、一気に元に戻して踵に被せます。
踵部分が元に戻った状態。
ブーツを履いた状態でつま先を深く差し込み、折り返し部分の隙間に指先を深く差し込みます。
一気に勢い良く元に戻す事で、この様にしっかりと踵部分がブーツをホールドして、フルフットフィンを楽にスムーズに履く事が出来ます。

ドライスーツの際に使用をお勧めするストラップフィン『GULL(ガル)のBonito485(ボニート485)』または『GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)』の場合

ドライスーツの際に使用をお勧めするストラップフィン『GULL(ガル)のBonito485(ボニート485)』『GULL(ガル)のMEW  CYPHER(ミューサイファー)』の場合

ドライスーツを使用する場合は、ブーツ全体の厚みとソールの厚みがかなり厚くなり、フルフットフィンを『履く事』『脱ぐ事』が難しくなります。その為ストラップフィンを使用する事になります。

『多少泳ぎ易さは低下して』『脚にかかる負担はやや大きくなりますが』、フルフットの時とそれほど履き方脱ぎ方に変わりは有りません。

踵部分がストラップになっているので、このストラップを持ち上げてフィンを履き、脱ぐ際はストラップを下げるだけです。この時にバックルを外す必要は有りません。

キツすぎず、ユルすぎず、適度な調節にストラップを合わせておけば、フルフットの踵を持ち上げたり、下ろしたりするのと同じ要領で着脱する事が可能です。

ストラップを絞め過ぎると

ストラップを絞め過ぎると

  • 足の甲にフィンが当たって痛い。
  • キツすぎてストラップが動かせず、フィンが自分の力ではずせない。

逆にストラップを緩め過ぎると

  • 泳ぐ時にゆとりがありすぎて、足がフィンの中で遊んでしまい、十分な推進力が得られない。
  • 泳いでいる途中で、フィンが足からはずれ落ちてしまうことがある。

使用する前には、ストラップの目盛を調節して実際に着脱して見て

  • 履きやすく、脱ぎやすいか?
  • 多少足を振ってもはずれない位に目盛りの位置が調節されているか?

ストラップに関しては、『潜る前に』各自が陸上で確認する必要が有ります。

正しくストラップの目盛り調節をする事で

  • バックルとストラップの操作をすることなく、フィンを簡単に着脱できる。
  • 着脱の際の手間が省けて、ストラップフィンがより使いやすくなる

など、ストラップフィンの扱いが簡単になります。

ストラップのバックルを外さない方が、ビーチダイビングでフィンを持って出入りする際に

  • ストラップ部分が持ち易い。
  • 手首にストラップを通してぶら下げて、手を自由に使えるようにする事が出来る。

と言う理由から、ストラップフィンの使い勝手が良くなります。

フルフットフィンのメリット、デメリット

メリット

  • ストラップフィンに比べて、フィンキックがしやすい。
  • ストラップフィンよりも、十分な推進力を得られる。
  • ストラップフィンよりも、脚への負担が少ない。
  • ストラップフィンよりも、重量が軽い

デメリット

  • ストラップフィンよりも、着脱の際の操作に慣れが必要。
  • 海から上がるエキジットの際に、脇の下に抱えるため、片手がふさがってしまう。

ストラップフィンのメリット、デメリット

ストラップフィンのメリット、デメリット

メリット

  • フルフットフィンに比べて、ストラップの目盛りを適切な位置に固定すると、着脱がしやすい。
  • フルフットフィンに比べて、持ち運ぶ際にストラップ部分が持ち易い。
  • 手首にストラップを通して手を自由に使えるようにする事が出来る。(これはフルフットフィンではできないこと。)

デメリット

  • フルフットフィンに比べて、フィンキックはやや重たい。
  • フルフットフィンに比べて、推進力はやや劣る。
  • フルフットフィンに比べて、フィンキックの際の脚への負担がやや大きい。
  • フルフットフィンに比べて、重量が重い。

フルフットフィンとストラップフィンの使い分け方

  • 多少陸上での持ちにくさが有っても、ウエットスーツで潜る際は、フルフットフィンを使用する。
  • 多少の泳ぎにくさが有っても、ドライスーツの際には、ストラップフィンを利用する。

どちらのフィンにも一長一短が有りますが、両方をうまく使い分けることで年間を通して快適に潜る事が出来る様になります。これが正しいフィンの選択となります。『それぞれのフィンの正しい使い方を覚えて』『ファンダイビングの際の余計な手間を省き』ダイビングに集中出来る状態を準備の段階から作って行きましょう!

左がウエットスーツ用のブーツ、右がドライスーツ用のブーツ、どちらも同じ25cmのサイズですが大きさ厚みにかなり差が有ります。
ドライスーツ用のブーツを横から見たところ。
履く際は、このようにつま先を奥に差し込んでいきます。
しっかり奥までつま先を差し込まないと、泳いでいる時に後から足が奥まで入ってしまい、丁度よく調節したはずの踵のストラップが緩くなって脱げ易くなってしまいます。
ストラップのつまみを持ち上げて履きます。
女性や年配の方は指先の力が弱い為、後からオプションで『フィンフック』と言う指を引っ掛けるパーツを取り付けたり『柔らかいスプリング式のストラップ』に変更して着脱を容易にする事も可能です。
脱ぐ時は、このつまみを持って踵の下に下げて外します。
ストラップを締める時には、ストラップ先端を引けば簡単に締める事が出来ます。
ストラップを緩める時には、写真の様にボタンを押し、ストラップの踵部分の方のベルトを引いて緩めます。
自分の履いているブーツに合わせて、着脱し易くなおかつ脱げにくい調節を、潜る前の陸上で確認します。
その際ちょど良い目盛りの数を覚えておいて、毎回ちょうど良い目盛の調節が出来ているかを確認してからダイビングを行います。
左右の目盛りが同じ位になるように均等にストラップを調節します。

選択したフィンでダイビングする際の正しいフィン泳法

正しいフィンが選択出来、かつ使い方もわかったところで、次は正しいフィン泳法について説明します。

初心者の皆さんも学校のプールやスイミングスクールで水泳のバタ足を習っています。初めて泳ぐ時にはおそらくそのイメージで細かく早いバタ足で泳いでしまう方が多いでしょう。

自分の素足で泳ぐ水泳と違い、ダイビングの時には

  • とても長い
  • 幅も広い
  • かなり面積のある

ダイビング用のフィンを履いています。

バタ足の仕方も水泳の素足のバタ足から、ダイビング用フィンを利用したバタ足に変える必要が有ります。

ダイビング用のフィンでバタ足するときのポイント3点

ダイビング用のフィンでバタ足するときのポイント3点

  • ①足首をしっかりのばして、力を入れて固定する。
  • ②ヒザをしっかりのばして、力を抜いてリラックスする。
  • ③ももの付け根を上下に大きく開脚して、出来るだけ大股でバタ足をする。

(※ももの付け根の開脚については、ドライスーツを使用する際には、若干フィンキックの方法に変更が必要になるので後述します。)

①足首をしっかり伸ばして固定する事で、

  • バタ足の力が効率良くフィンに伝わる。
  • フィンをより大きくしならせる事が出来る。
  • フィンの性能をフルに活用して、十分な推進力を得ることができる。

②ヒザをしっかりのばして、力を抜いてリラックスすることで、

  • 細かく小さな早いバタ足、大きくゆったりとしたバタ足、どちらの場合も効率よく推進力を得ることができる。
  • ヒザの力を抜く事で、脚の力はもちろん、肩の力や全身の力がリラックス出来る。
  • ストレッチするような大股での開脚と、無駄な力の抜けた正しいフォームを保つ事が、無理なく楽におこなえるようになる。

③ももの付け根を上下に大きく開脚して、出来るだけ大股でバタ足する事で、

  • 大きく開いた左右の脚の間にある海水(水)が大量に後方に押しのけられる。
  • 大量に後方に押しのけられた海水(水)の量に比例して、大きな推進力を得ることができる。
  • 必要以上に『力を入れる必要も』『早くバタ足をする必要も』なくなり、脚や体にかかる負担を減らすことができる。

シリンダーを背負って行うダイビングの際のバタ足について

  • 開脚が小さいバタ足では、ほとんど海水(水)が押しのけられません。シリンダーを背負ってより抵抗が大きくなった状態では、推進力は得られません。
  • 開脚が小さいバタ足の状態のままで、推進力を得ようとすれば、たくさんの回数でバタ足する必要が有ります。

シリンダーを背負わないスノーケリングや競技のフィンスイミングで短い距離でタイムを競う様な時にはそれでも良いかもしれません。ダイビングは必ず大きなシリンダーを背負っている為、ダイビングの全ての装備をつけた時には、かなり大きな抵抗を受けて海中(海面)を進むことになります。

「その様な状態の時に水泳のように細かいバタ足での泳ぎ方では、体を前に押し出すパワーが足りず、なかなか思うように進む事が出来ません。その為、大股で大袈裟に開脚したバタ足をする必要が有ります。

大股で大袈裟に開脚したバタ足をするをする事で、少ない力で効率良く十分な推進力を得ることができます。

当然大股でかつ早い回転のバタ足をすれば、その分大きな負荷はかかりますが、速いスピードで泳ぐことも可能です。

陸上の散歩に例えると理解しやすくなるダイビングの際のフィン泳法

各自、脚力、体力、運動能力、持久力等に差が有りますから、全員が同じスピードで泳げるわけでは有りません。

ただ、特殊な環境(与那国島などの、流れの速い事で有名なダイビングポイントのように、川の様な急流に逆らってハードなダイビングを行う場合)の上級者向けのダイビングポイント以外は、初心者のダイバーが行う基本のダイビングはのんびりと移動する海中散歩です。

公園の散歩を想像するとイメージし易いのですが、のんびりゆっくり散歩しながら、

  • 気が向けばちょっと小走りで池のほとりに近づき泳ぐ魚をのぞいたり。
  • じっと止まって木々に止まった小鳥を観察したり。
  • 遊びの中で走り回ったり。

散歩の時にも『色々なペースで歩いて移動』をしているはずです。『ずっとハードに早足で長い時間散歩する』なんて事無いですよね?既にそれは散歩ではなくなっています。

初心者の頃はダイビングに余裕が無いので、意識しないとどうしても焦って効率の悪い

  • 足首が固定されずグニャグニャとまがった。
  • ヒザを大きくまげすぎた。
  • モモの付け根がちょっとしか開脚していない。

細かいバタ足で、必死に前のインストラクターやガイドダイバーを追いかけてしまいます。

これは、散歩に例えるなら歩幅60cmで歩いている前の人を

  • しゃがんだ状態で。
  • 歩幅20cm位で。
  • 3倍早いペースで足を動かしながら。

必死でついていこうと歩いている状態のようなものです。

陸上であれば、そんな変な疲れる歩き方をする人は、誰もいません。

  • 水中でのバタ足の基本を知らない(教わっていない)事で。
  • 自分が上記の内容と同じような状態で必死に苦労してダイビングしている現実に。
  • 本人は全く気付いていない状態になってしまいます。

陸上の散歩に例えたこの説明から、ダイビングにおいてフィンを正しく使った基本のフィン泳法(バタ足)が、陸上で言えば誰でも出来る正しい歩き方をするのと同じように基本的なことだと理解できたでしょう。

  • ほとんどの初心者ダイバーの皆さんがこの事を知らずに(教わらずに)ダイビングしてしまい、けっこう苦労しています。中には、疲れるだけで、楽しくないと感じ、ダイビングが嫌になってダイビング自体をやめてしまう人もいます。
  • 初心者ダイバーの皆さんはもちろん、ダイビングのインストラクターの中でも、基本的なフィン泳法を正しく理解し、教えられるダイバーはかなり少ないです。
  • 残念ながら自分では出来ているけれども、生徒さんに『わかりやすく』『正しく』伝えられないインストラクターが多いのが現状です。

お知り合いやお友達で、同じようにフィン泳法で困っているダイバーがいたら、この記事を読んで、基本を知ってもらえるようにして下さい。

ドライスーツでダイビングする際のフィンキック

ドライスーツを使用する際は、水中での温かさと引き換えに、上記のウエットスーツの際のような効率の良いバタ足を完全には行えなくなります。アップキックを大きく高く蹴り上げ過ぎると、足に空気が溜まり過ぎて逆立ちに近い状態になります。水中での姿勢のバランスが悪くなるからです。

進む速度は遅く、多少効率は悪くなりますが

  • アップキックをあまり蹴り上げない、細かめのテンポのやや早いバタ足をする。
  • 上下動が少ないく、膝を伸ばして横に大きく脚を開脚して閉じる時に進む、上下動が少ない変則のカエル足のような泳ぎ方をする。

このような、フィンキックに切り替えて、ドライスーツでのダイビングに対応するようにします。

ダイビングにおいてなぜフィンが重要なのか

では、最後に『正しいフィンを選ぶ事や『基本のフィン泳法をしっかり理解して実践する事が』なぜ重要なのか説明します。

ダイビングを安全に行うために準備する必要が有る3つのポイントは、

ダイビングを安全に行うために準備する必要が有る3つのポイント

  • 正しい知識を身につける。
  • 正しい技術を身につける。
  • 正しい器材を揃える。

この3つのポインが、ダイビングを安全に行うためには、とても重要です。

※関連記事

【初心者向けダイビング器材解説】安全潜水の基本3点もインストラクターが解説!

⚪︎3つのポイントの中で、予算さえ確保出来れば、簡単に準備出来るのが『器材』です。

3つのポイントの中で、予算さえ確保出来れば、簡単に準備出来るのが『器材』

  • 体力
  • 泳力
  • 体のサイズ

に合った器材一式を揃えれば、器材が効率の良いダイビングをサポートしてくれます。後は、各自がその器材に少しずつ時間をかけて慣れていけば良いわけです。

⚪︎3っつのポイントの中で、完全な準備を整えるまでに時間がかかるのが『知識』と『技術』です。

3つのポイントの中で、完全な準備を整えるまでに時間がかかるのが『知識』と『技術』

『知識』は、
  • さまざま有る知識をダイビングの経験とともに吸収して蓄積成長させていくもので、ダイビングを沢山行う事が、知識の準備(蓄積)欠かせません。
  • 机の上でどんなに沢山勉強しても、沢山ダイビングしている人以上に実践に役立つ知識を身につける事は出来ません。

例えると、どんなに映像や本で知識を得たとしても、子供がそれだけで安全に自転車を運転出来るようになるかと言ったら、絶対に無理ですよね?

逆に言えば、映像や本で全く知識を得ていなかったとしても、毎日幼稚園や保育園や小学校から帰って来て、1時間づつ自転車の練習をしたらおそらく一ヶ月後には基本の運転が身に付き、半年後には有る程度自分で安全を確保した状態で自転車を運転出来る様になっているはずです。

その時には、当然最低限安全に自転車を運転する為に必要な『正しい技術』と『正しい知識』も家族から教わっているはずです。机の上での勉強はせずとも、実践で自転車の運転を練習している中で自然と知識は身につくものです。

でも、知識だけをひたすら机の上で勉強して自転車の運転をしなかったらどうでしょうか?おそらく、一ヶ月経っても、半年経っても全然乗れるよにはならないでしょう。

では、自転車を与えられた後の練習を

  • たった一人で自己流で行った場合。
  • 家族に見守られながら自転車の運転経験が十分にある家族から様々な基本を教わって行った場合。

ではどうでしょうか?

明らかに自己流よりも基本を知っている人から教わって練習したほうが、はるかに早く自転車の運転を安全かつスムーズに行える様になるはずです。自転車は、家族が誰でも教えられますが、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、の中で一番教えるのが上手い人と教えるのが苦手な人がいるはずです。

これは

  • 自分では出来るけど人には『説明」『解説』『実演』するのが苦手。
  • 「自分でも出来るし人にも『説明』『解説』『実演』するのが得意。

と教える人にもその能力に個人差が有るという事です。

インストラクターの中にも、この例えの家族と同じように、2つのタイプのインストラクターがいます。

教わるインストラクターによって、結果的にダイビングの初心者の頃のダイビングの技術レベルに差が生まれます。これは有る程度仕方の無い事です。

  • 基本をしっかりと身につけてダイビングをスタート出来る初心者ダイバー。
  • 基本をしっかりと身につけないままにダイビングをスタートしてしまう初心者ダイバー。

講習後最初の頃に、上記2通りの初心者ダイバーが誕生してしまう理由が、指導するインストラクターによる指導内容の差です。

正しい知識を身につけるためには、正しい指導ができるインストラクターが必要です。

技術は、

技術は、

数ある技術的な指導内容の中でもとりわけ一番重要なのが、フィン泳法になります

前提条件として

  • 最低限マスククリアの方法
  • スノーケルクリアの方法
  • レギュレーターリカバリーの方法
  • 耳抜きの正しい方法
  • スクーバの第一法則と第二法則

以上5つは、命を守るために絶対にプール実習や海洋実習で習得しておかなければいけません。この5つの基本技術が身について、できているという前提でファンダイビングを行なったと仮定して話をします。

もし、フィン泳法についてはうまく身についていなかったけれども、中性浮力は初心者にしてはかなり高いレベルで身につけてたダイバーがいたと仮定しましょう。

では、実際のファンダイビングの際に

  • 出入り口にそれなりの波が打ち寄せていたり。
  • やや流れが強いポイントに潜ったり。
  • 一緒にダイビングする他のダイバーの移動速度が思っていたよりも早かったり。
  • まかり間違って中性浮力を操作するためのBCDが故障してしまったたり。

と言った、あまり想定をしていなかった状況が発生した際に中性浮力が役に立つでしょうか?

答えはNOです。

では、中性浮力はあまり身についていなかったけれども、逆にフィン泳法の技術は初心者にしてはかなり高いレベルで身についていたとしましょう。

では、実際のファンダイビングの際に

  • 出入り口にそれなりの波が打ち寄せていたり。
  • やや流れが強いポイントに潜ったり。
  • 一緒にダイビングする他のダイバーの移動速度が思っていたよりも早かったり。
  • まかり間違って中性浮力を操作するためのBCDが故障してしまったたり。

この場合に上記と同じ状況が発生したとした際にフィン泳法が役に立つでしょうか?

答えはYESです。

どの場合も基本的なフィン泳法の基本をきちんとマスター出来ていれば、初心者ダイバーも十分安全にダイビングを行う事が可能です。ダイビングにおいて、安全を確保しつつダイビングを楽しむためには、フィン泳法は必須の技術です。

  • 多少知識が足りなくても。
  • 多少他の技術が足りなくても。
  • 多少経験が足りなくても。

基本のフィン泳法さえ身につけてダイビングしていれば、必ず安全にダイビングを実行し、きちんと海から陸上に戻ってくることができます。

初心者ダイバーの皆さんは、このことをしっかりと理解した上で、ファンダイビングの際に正しいフィンキックの実戦と習得を意識しながらダイビングをおこなうようにして下さい。

ダイビングを安全に行うために準備する必要が有る3つのポイントが、確実に身につくためには30〜50本(回)のダイビング経験が必要!

ダイビングを安全に行うために準備する必要が有る3つのポイントが、確実に身につくためには30〜50本(回)のダイビング経験が必要!

  • 正しい知識を身につける。
  • 正しい技術を身につける。
  • 正しい器材を揃える。

自分の『器材』をそろえた上で、フィン泳法を意識しながら30〜50本(回)程ダイビング経験をつめば、基本的な『知識』『技術」は確実に身につきます。

その後はあまり意識しなくても、正しいフィン泳法を活用して、『ボートダイビング』『ナイトダイビング』『水中写真』『国内ツアー『』海外ツアー』など様々なダイビングを行えるようになります。

長い期間を自己流で苦労するよりも、経験豊富なインストラクターの指導の元、ダイビングの基本を習得することが重要です。

楽しい趣味のファンダビングを、自由に行えるダイバーになるための最短ルートが、この方法です。

もちろん今回の記事で紹介した正しいフィンの選択も、この内容の中で重要な部分を占めている事は言うまでも有りません。

フィンの性能が劣っていれば、効率よく少ない力で趣味のファンダイビングをおこなう事は、できないでしょう。

初心者ダイバーの皆さんは、この事をしっかり意識して、これからのダイビングを進めて行って下さい!

まとめ

今回は初心者の方に向けて、器材解説フィン編として

  • ダイビングする際に、オススメのフィン
  • 選択したフィンの正しい使用方法
  • 選択したフィンでダイビングする際の正しいフィン泳法
  • ダイビングにおいてなぜフィンが重要なのか?

についてお話ししました。

始めたばかりで、まだまだダイビングに慣れていない初心者の皆さんに一番必要な事が、ダイビングの全部の装備を身につけた状態できちんと前に進むための

  • 効率よくフィンで泳ぐために、泳ぎやすく使いやすいフィンを手に入れること。
  • 正しいフィン泳法の基本を理解し、それを身につけること。

になります。

今回の記事を参考にして

『まだご自分のフィンを持っていない方も』『ご自分のフィンを持っている方も』、

『泳ぎやすいフィン』『効率の良いフィン泳法』をしっかり準備して、

趣味のファンダイビングを『楽しく』『楽に』進めて行って下さい!

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